余命宣告された私が出会ったのは、キスで寿命を伸ばすことのできる人でした。
「し、してないし!」


萌が自分にとって楽しい妄想をするのは日常茶飯事で、それは絵にも如実に表現されるようになっていた。


少し抽象的でファンタジックな萌の絵は、顧問には受けが良い。


「なんでもいいけど、そろそろ夕飯作るのてつだってちょうだい」


そう言われて驚いて置き時計へ視線を向ける。


ついさっきお昼を過ぎたところだと思っていたのに、もう夕方になっている。


大樹のことをぼーっと考えていると時間がたつのがあっという間だ。


「ある意味タイムマシン」


「また変なこと言ってる」
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