余命宣告された私が出会ったのは、キスで寿命を伸ばすことのできる人でした。
☆☆☆

教室を飛び出して萌は女子トイレにかけこんで泣き始めた。


泣きたくないと思えば思うほど我慢ができなくて、声を上げて泣く。


大樹がキスをしたいたことは事実だった。


その上言い訳をしようとしていた。


そのことが萌にはショックだった。


言い訳なんてせずに、素直に謝ってほしかった。


そうすればまだ少しでも大樹との関係を続けたいと思えたかもしれないのに……。


「なに泣いてんの?」


そんな声が聞こえてきて息を飲んで顔を上げると、見たことのない女子生徒が立っていた。
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