余命宣告された私が出会ったのは、キスで寿命を伸ばすことのできる人でした。
その子は目を吊り上げて萌を睨みつけている。


突然の闖入者に驚き、萌の涙は一瞬ひっこんでしまった。


「泣きたいのはこっちなんだけど?」


「え?」


状況が理解できずに首をかしげる。


すると女子生徒は大樹の名前を出してきたのだ。


「どうしてあんたがまだ大樹くんと付き合ってるの?」


その言葉に萌は返事ができなくなった。


どういう意味なのか頭の中で考えてみても、すぐに真っ白になってしまう。


「大樹くんは私と付き合ってくれるって言ったんだよ。だからキスしたのに!」


怒鳴る女子生徒の目はみるみる赤く染まっていき、涙の膜ができた。
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