余命宣告された私が出会ったのは、キスで寿命を伸ばすことのできる人でした。
☆☆☆

大樹と会わなくなって数日が経過したころ、萌は自分の体の異変に気がついていた。


いつも平気な学校までの行き帰りに息が切れて、途中で休憩しないといけなくなった。


一度咳き込み始めたら止まらなくなる。


胸の痛みを感じる。


それは余命を宣告される前に感じていた不調そのもので、それが日に日に悪化していくようなのだ。


いくら担当医から奇跡のようだと言われても、病魔は萌の体から去ってはいなかったのだと突きつけられる。


そしてある日の朝。


ついに病魔は萌に牙をむいた。


ベッドの上で目を覚ました瞬間、萌は自分の体がいつも以上に調子が悪いことに気がついた。
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