余命宣告された私が出会ったのは、キスで寿命を伸ばすことのできる人でした。
そんなタイミングで萌は目を覚ましていた。


朝呼吸がとても苦しくて父親の車で病院に連れてこられた所までは覚えている。


けれど、その後の記憶が曖昧だった。


目を覚まして見えた景色は病院の天井と、自分につけられている点滴だった。


そして口を覆う酸素マスク。


萌は今の自分の姿に驚き、そして絶望感を覚えていた。


昨日まで元気に学校へ行っていたのに、どうしてこんなことになっているのか理解が追いつかない。


確かに最近は体調がよくない日が増えていたけれど、まさか自分がと思っていた。


何度倒れても数値が改善されてきた萌にはショックだった。


もしかして自分は余命なんて関係なく行き続けるんじゃないか。
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