余命宣告された私が出会ったのは、キスで寿命を伸ばすことのできる人でした。
「今日学校に来てないから、心配になって家に行ったんだ」


両親から入院したことを聞いて駆けつけてきたみたいだ。


大樹の息は切れていて、額には汗が浮かんでいる。


「私のことなんて、ほっといて!」


強く言うと咳き込んでしまい、止まらなくなる。


大樹は何度も咳き込む萌に近づいて酸素マスクをはずした。


なにするの!?


そう言おうとした唇を無理やり塞がれる。


いや!!


心の中で叫んで必死に大樹から身を離そうとする。


しかし大樹はしっかりと萌を抱きしめて決して離さなかった。


次第に萌の咳がやんできて、呼吸の苦しさが消えていく。


嘘みたいに胸の動機も収まっていた。


落ち着いてきた萌を確認して大樹は身を離す。
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