余命宣告された私が出会ったのは、キスで寿命を伸ばすことのできる人でした。
しかし、その表情はとてもせつなそうだ。


「どういうこと?」


萌は眉間にシワを寄せてそう聞いた。


なにかがおかしいと、ようやく気がついたのだ。


「萌、俺の話を聞いて欲しい。嘘だと思われるかもしれないけど……」


大樹がそこまで言ったとき、病室のドアがまた開いた。


入ってきたのは希だ。


希もまた、学校を休んだ萌のことを気にして駆けつけてきてくれたのだ。


しかし、大樹の顔を見た瞬間険しい表情に変わった。


「なんで大樹がここにいるの?」

< 221 / 274 >

この作品をシェア

pagetop