余命宣告された私が出会ったのは、キスで寿命を伸ばすことのできる人でした。
そんなもの、普段なら絶対に信じなかった。


鼻で笑って、厚と笑いのネタにして終わるくらいなものだった。


けれどこのときの大樹は藁にもすがる思いでその記事を読みふけってしまったのだ。


願いを叶えてくれる神社は全国にいくらでもある。


その効果がどうなのかは曖昧だけれど、でもひとつだけ本当に効果のある神社がある。


しかも、その神社は大樹が暮らしている街にあるというのだ。


森の中にある神社は本当に必要な人にしか行き着くことができない。


決して興味本位で立ち入ってはいけない。


そんな注意書きが何個もされていた。
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