余命宣告された私が出会ったのは、キスで寿命を伸ばすことのできる人でした。
大樹が空へ向けて叫んだ次の瞬間、周囲の景色が変わっていた。


そこは森ではなく自分の部屋で、大樹はベッドの上で目が覚めたのだ。


しばらく呆然として天井を見上げていた大樹だったが、ハッと息を飲んで飛び起きた。


今のは全部夢だったのか?


萌が助かると喜んだことは……?


そう思ったとき、ベッドの下に赤いものを見つけて手を伸ばした。


それは夢の中で見た、あのお守りだったのだった……。
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