余命宣告された私が出会ったのは、キスで寿命を伸ばすことのできる人でした。
「ちょっと萌、こんなくだらない嘘を信用するつもり?」


希が横から声を荒げる。


まだ大樹のことを信用できていないみたいだ。


「違うの希。確かにそのとおりかもしれないの」


萌は希に今までの体調変化を教えた。


希は黙ってその説明を聞き、そして大樹へ視線を戻した。


「信じてくれないかもしれないけれど、本当のことなんだ」


大樹はそう言うとポケットから赤いお守りを取り出した。


それはあの夜森の中でもらったものだ。


「これが話しの中に出てきたお守り?」
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