余命宣告された私が出会ったのは、キスで寿命を伸ばすことのできる人でした。
希からの質問に大樹は左右に首を振った。


「神様はそうは言ってなかった。ただ、寿命を1日伸ばすことができるんだって」


大樹からの説明をもう1度聞いて、希は首をかしげた。


「寿命……?」


怪訝そうな顔で萌に視線を向ける。


萌は泣きそうな顔になりながらも微笑んだ。


「そう……。ごめんね希。本当は希に一番に伝えたかったんだけど……」


伝えるタイミングを失ったことを謝罪してから、萌は自分の寿命があとひと月もないことを説明した。


説明している間希は呆然としていて、何度も左右に首を振って「そんなの信じない」と呟いた。


萌が最後まで説明し終えたとき、希の頬には涙が流れていた。


「嘘でしょ。じゃあ、あの時にはもう……」


その言葉に萌は首をかしげた。
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