余命宣告された私が出会ったのは、キスで寿命を伸ばすことのできる人でした。
偶然自分は病気という形で寿命がわかってしまっただけなんだから。


「希の命をもらうことはできない」


萌は強い声色でそう言い、左右に首を振った。


希はその威圧感にたじろぎ、後ずさりをする。


「とにかく、ふたりとも今日は沢山話してくれてありがとう。少し頭を整理したいから、1人になってもいいかな?」


萌の声はもう怒っていなかった。


大樹と希は目を見交わせて、萌の病室を出たのだった。
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