余命宣告された私が出会ったのは、キスで寿命を伸ばすことのできる人でした。
「大樹くん」
声をかけてきた萌の母親は初めて会ったときよりも随分と老けて見えた。
白髪が増えて疲れた顔をしている。
体力的にも精神的にも追い詰められているのがわかって胸が痛む。
「こんにちは」
「毎日来てくれてありがとうね。だけど、あなたはあなたの生活を大切にしなきゃ」
萌と同じようなことを言われて思わず少しだけ微笑んだ。
似たもの親子といった感じがする。
「大丈夫です。部活にもちゃんと出てるし、問題ありません」
そう答えるとふと母親がなにか思いついたような顔になった。
「そういえばあの子の絵はどうなったのかしら」
それは大樹へ向けた言葉ではなく、つぶやきだった。
声をかけてきた萌の母親は初めて会ったときよりも随分と老けて見えた。
白髪が増えて疲れた顔をしている。
体力的にも精神的にも追い詰められているのがわかって胸が痛む。
「こんにちは」
「毎日来てくれてありがとうね。だけど、あなたはあなたの生活を大切にしなきゃ」
萌と同じようなことを言われて思わず少しだけ微笑んだ。
似たもの親子といった感じがする。
「大丈夫です。部活にもちゃんと出てるし、問題ありません」
そう答えるとふと母親がなにか思いついたような顔になった。
「そういえばあの子の絵はどうなったのかしら」
それは大樹へ向けた言葉ではなく、つぶやきだった。