余命宣告された私が出会ったのは、キスで寿命を伸ばすことのできる人でした。
☆☆☆
次の休日は希を誘って萌の家にやってきていた。
病室で言われたあの言葉を思い出して、実際に萌の絵を見たくなったのだ。
「来てくれてありがとう。どうぞ」
家の中は綺麗に整頓されていたが、どこか寒々しさを感じた。
主がいなくなって家を汚す人間がいないから綺麗なまま存在しているような、そんな感じだ。
「萌の部屋はこっちよ」
母親に案内されて通された部屋は6畳のフローリングだった。
薄いブルーのカーテンに白色の家具、花柄のベッドの上には大きなぬいぐるみがあり、可愛らしい。
でも一番気になったのは足を踏み入れたときから感じている絵の具の匂いだった。
次の休日は希を誘って萌の家にやってきていた。
病室で言われたあの言葉を思い出して、実際に萌の絵を見たくなったのだ。
「来てくれてありがとう。どうぞ」
家の中は綺麗に整頓されていたが、どこか寒々しさを感じた。
主がいなくなって家を汚す人間がいないから綺麗なまま存在しているような、そんな感じだ。
「萌の部屋はこっちよ」
母親に案内されて通された部屋は6畳のフローリングだった。
薄いブルーのカーテンに白色の家具、花柄のベッドの上には大きなぬいぐるみがあり、可愛らしい。
でも一番気になったのは足を踏み入れたときから感じている絵の具の匂いだった。