余命宣告された私が出会ったのは、キスで寿命を伸ばすことのできる人でした。
「絵を見せていただいてありがとうございます。この絵を見ることができて、本当によかったです」


その後萌の家を後にした大樹は真剣な表情でなにかを考え込んでいた。


そしてしばらく歩いたあと「希、お前に頼みがある」と口火を切った。


希は覚悟していたように頷く。


「1度だけ俺とキスをしてほしい。1日分の命を萌にあげたいんだ……」
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