余命宣告された私が出会ったのは、キスで寿命を伸ばすことのできる人でした。
萌は母親の言葉に首をかしげながらも自分で上半身を起こした。


立つことはできないけれど、こうして座っていることなら平気だ。


「よかった。これなら大丈夫そうね」


一体これからなにが始まるのかわからないけれど、萌はただ母親の嬉し泣きを見つめていたのだった。
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