余命宣告された私が出会ったのは、キスで寿命を伸ばすことのできる人でした。
☆☆☆

大樹から萌の夢を叶えたい。


お嫁さんになってもらいたいと提案されたとき、1度は断った。


そんなこと無理にきまっている。


正式に書類を出すわけじゃないにしても、今の萌に負担をかけるようなことはできなかった。


だけど、大樹と希は諦めなかった。


到底信じることなんてできない大樹の力についても一生懸命説明してくれた。


萌の母親は半分は「そんなことができるなら、やってみれば?」という気持ちで今回のことを承諾したのだ。


ドレスを借りるのだって、場所を決めるのだって、子供だけでできるわけがない。


一番問題なのは、萌が動けないことだ。


動けないどころかここ数日間はずっと夢の中をさまよっている。
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