余命宣告された私が出会ったのは、キスで寿命を伸ばすことのできる人でした。
そんな状態で結婚式なんてと思っていた。


それが、たった1日で、たったふたりの力でここまでしてくれたのだ。


大樹と希の萌への愛情は本物だと実感させられた。


今、萌は人生で初めてのウエディングに袖を通している。


緊張と嬉しさと感動で包まれていることだろう。


「萌、あなたは幸せ者ね」


母親はそう呟いて鼻をすすりあげたのだった。
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