余命宣告された私が出会ったのは、キスで寿命を伸ばすことのできる人でした。
その表情は苦痛に満ちていて、まるで先生がガンを宣告された患者のようだと感じた。


「じゃあ、どうすれば……」


「できることといえば抗癌剤治療です。少しでも長く生きることができるかもしれなません。しかし、先程申し上げたようにすでにかなり進行していて……」


また、先生の声が遠く感じた。


手術はできない。


手遅れ。


治療はできるが、少し延命する程度の効果を期待できる程度。


そして今日、余命3ヶ月を告げられた……。
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