余命宣告された私が出会ったのは、キスで寿命を伸ばすことのできる人でした。
ファミレスに入ろうとしたとき、逆側から男性二人組が近づいてくるのが見えて希は足を止めた。


ひとりは背が高くヒョロリとした体型で、もうひとりは中肉中背と言ったところだ。


年齢は希や萌と変わらないくらいに見える。


「よぉ、希」


親しげに右手を上げて見せた中肉中背の男性に萌はとまどいの表情を浮かべる。


「そっか、萌は大樹に会ったことがないんだっけ?」


希に聞かれて萌はコクコクと頷く。


もともと異性と話すことは得意ではなく、友達も女の子ばかりだ。


萌は完全に希の後に隠れてしまった。


「こいつは高野大樹。近所に住んでるの」


「はじめまして」


大樹を紹介されたその人が人懐っこい笑みを浮かべるので、ようやく萌は希の後から出てきた。


どうやら悪い人ではないみたいだ。


「同じ学校なんだけど、専攻が違うから会ったことは無いと思う」


「へぇ、同じ学校なんだ?」


萌は目を見開いてふたりの男性を見つめた。


確かに見たことのない顔だ。
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