余命宣告された私が出会ったのは、キスで寿命を伸ばすことのできる人でした。
変わらない関係
「ねぇ希」


「ごめん、今本を読んでて忙しいの」


その言葉に萌はもう何度目になるかわからないため息を吐き出した。


萌が倒れてから半月近く経過しているけれど、希の態度は一向に変わらない。


医師の説明によると萌の寿命はあとふたつきほどしかないし、最近は息苦しさを感じる回数も増えてきた。


担任の先生に言って早退したり、放課後そのまま病院へ向かう回数も増えた。


このまま病状が進んでいけば希と仲違いしたまま会えなくなってしまう可能性だってある。


「お願い……どうしても、話がしたいの」


普通に会話をしているだけでも息切れがしてきて、そんな萌を見て希は怪訝そうな表情になる。


「……ごめん、保健室に行ってくる」


話があるといいながらも保健室へと向かう萌の後ろ姿を希はジッと見つめていたのだった。
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