余命宣告された私が出会ったのは、キスで寿命を伸ばすことのできる人でした。
☆☆☆

「最近希と一緒にいないみたいだけど、どうかしたのか？」


教室を出るとそこには大樹が立っていて、呼び止められていた。


大樹も最近のふたりの関係について知っているようで、真剣な表情を浮かべている。


「大丈夫だよ。たぶん、私がなにかしちゃったんだと思うけど、すぐに仲直りするから」


慌てて説明して笑顔を浮かべる。


大樹には無駄な心配をさせたくなかった。


残りの時間を、できれば大樹と一緒に笑って過ごしたいと思っている。


もちろん、希も一緒に。


だけど今の所その願いはとても難しいことのように感じられていた。


どうして希の態度が変わってしまったのか、それがわからないことにはなにも進展しない。


「顔色が悪いけど、大丈夫か？」


「うん。少し呼吸が苦しくて保健室に行くところだったの」


「そっか。呼び止めてごめんな。付きそうよ」


大樹と並んで歩くと嫌でも目立ってしまう。
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