余命宣告された私が出会ったのは、キスで寿命を伸ばすことのできる人でした。
早口に説明されて萌はようやく自体を把握した。


そしてあた学校で倒れてしまったことを思い出した。


「ごめん……ね……」


「なんで謝るんだよ。別に、俺はなにもしてないし」


そういう大樹の声は少し震えている。


萌の身に起こっていることが恐ろしいのだろう。


「先生……よく、許してくれたね?」


「あぁ。俺の粘りがちだよ。本当は先生と一緒に学校に戻る予定だったんだ。だけど萌の目が覚めた時に1人にはしたくなかった」


力強く言う大樹の言葉に萌は目の奥が熱くなるのを感じた。


どうしてこの人はこんなに優しいんだろう。


自分の勉強が遅れるのに、先生にも怒られるかもしれないのに、それでもここにいることを選んでくれた。


もしかしたら私はすごく幸せ者なのかもしれないと、勘違いしてしまいそうになる。


「帰ったら……お説教かもね?」


「先生からの説教なんて全然怖くないよ。俺の母親は鬼だから」


「お母さんは……怖いの?」
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