余命宣告された私が出会ったのは、キスで寿命を伸ばすことのできる人でした。
孤立
こんなことになるなんて思っていなかった。


希が大樹のことを好きだったなんて!


部屋に閉じこもり、萌はクッションに顔をうずめていた。


希の怒った顔を思い出すと胸が苦しい。


親友にあんな顔をさせたくて学校に通っているわけじゃない。


ただ、私は学校が好きで好きで、できるだけ多くあの空間にいたいと思っただけ……!


でも、病気の説明をできていない希にそんなことを言えるはずがなかった。


病気のことを知れば希はきっと今日の出来事を後悔するだろう。


そんな思いをさせることも嫌だった。


なにもかも、タイミングが悪すぎたんだ。


《大樹:今日はなにか予定でもあったのか?》


大樹から届いたメッセージに涙がこみ上げてくる。


大樹とは授業が終わってから少しでも会おうという約束をしていた。


それを無視して帰ってきてしまったのだ。


もうこのまま何もかも話してしまいたい衝動に駆られる。


希は大樹のことが好きだったんだよ。


どうしてそれに気がついてあげられなかったの?


そのせいで私、今希と……。


そこまで考えて下唇を噛みしめる。
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