余命宣告された私が出会ったのは、キスで寿命を伸ばすことのできる人でした。
なにかを隠していることは明白だった。


あるいは人には簡単には言えないことなのかもしれない。


大樹はこのまま萌を問いただして理由を知りたいと思ったが、無理強いはできなかった。


萌の体は今でも病魔に蝕まれているのだ。


これ以上の負担をかけたくはない。


「わかった。それなら言えるときがあったら言ってほしい」


大樹はそれだけ伝えると、話題を変えたのだった。
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