余命宣告された私が出会ったのは、キスで寿命を伸ばすことのできる人でした。

クラスのグループメッセージには入っているものの、男子と番号交換なんてした経験のなかった萌は戸惑った。


どう返事をすればいいかわからないままでいると、いつの間にか自分のスマホを大樹が操作していたのだ。


『はい、できた。俺からのメッセージちゃんと読んでよ？』


『あ、うん』


少し強引にかわされた番号。


しかしそれが嬉しくて胸の奥がカッと熱くなるのを感じた。


「ねぇ萌、本当に大丈夫？　顔が赤いよ？」


声をかけられて我に帰ると希が心配そうな顔をこちらへ向けていた。


「だ、大丈夫だよ」


萌は慌てて笑みを浮かべて見せたのだった。