契約婚初夜、冷徹警視正の激愛が溢れて抗えない

　いけない。つい斗真さまと彼を重ねちゃった。
　コーヒーをゴクゴク飲んで、いつも手錠や拳銃は携帯しているのかとか、素朴な疑問をぶつける。
　柊吾さんもコーヒーを口に運ぶが、その仕草がとても絵になっていて見入ってしまった。
　あ～、できることなら写真が撮りたい。でも、そんなことをしたら失礼だから、しっかりと目に焼きつけよう。
　リアル斗真さまに会えるなんて、これが最初で最後かも。
　私が質問するたびに、彼は色気を感じさせる低音の声で返す。
　この時間が永遠に続けばいいのに。
　でも、私が一方的に質問してばかりで、柊吾さんは淡々と答えるだけ。
　もういい加減解放されたいよね。ついつい興奮してしまった。
　彼は本気で見合いしようとは思ってないだろうし、早く帰らせてあげなければ。
　話が落ち着いたところで、テーブルに置かれた会計伝票を手に取る。
「今日はお忙しいところありがとうございました。お仕事頑張ってください」と告げて席を立とうとしたら、突然柊吾さんに手を掴まれ、会計伝票を奪われた。
「待ってください。まだ話は終わってないですよ」