契約婚初夜、冷徹警視正の激愛が溢れて抗えない
「そうなんですね。私もできるだけ華子さんの無理のないように注意します」
「よろしくお願いします。では、これでやっと本題に入れます」
 華子さんの話でもう終わりかと思っていたので、驚いて聞き返した。
「え? まだなにか?」
「来週の土曜日はご両親は家にいらっしゃいますか?」
 柊吾さんは少し表情を緩め、私をじっと見つめて確認する。
 うっ、至近距離でそんなに見つめないでほしい。心臓がおかしくなりそうだ。
「た、多分いますけど」
 なぜそんなことを聞くのだろう?
 話が見えずキョトンとする私に、彼は事務的な口調で説明する。
「では、土曜日の午後は空けておいてください。挨拶に伺います」
「へ? 挨拶? なぜ?」
 変な声が出てしまったが、仕方ないと思う。彼がうちに挨拶に来る理由がわからないのだから。
「結婚の挨拶ですよ」
 まだわけがわからず、心の声をそのまま発してしまう。
「誰と誰が?」
「もちろん僕と莉乃さんです」
 彼が真剣な顔で告げるのを聞いて、動揺せずにはいられなかった。
「え? え? ちょっと待ってください。私と柊吾さんは今日会ったばかりで……。ええ〜!?」
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