契約婚初夜、冷徹警視正の激愛が溢れて抗えない
 私を落ち着かせるために言っているのだろう。
「本当だ」
 彼は優しい声で告げて、初めてで少しパニックになっている私の手を自分の胸に押し当てた。
 触れただけでわかるその速い鼓動。
「……心臓、ドクドクいってる」
 平然としているように見えたのに、彼も私と同じように緊張していると知ってビックリした。
「俺も怖いんだ。欲望のまま抱いて莉乃を怖がらせたくないからな」
 彼の告白が嬉しくて、胸が熱くなった。
 義理で抱くんじゃない。柊吾さんは私を心から求めてくれている。
「私、これでも強いから大丈夫ですよ。思い切り抱いてください」
 彼に抱かれるなら本望だ。
 たとえこの結婚が永遠のものではなくても後悔はしない。
 大好きなそのブランデー色の双眸を見つめて微笑み、手を伸ばして彼の髪に触れた。
「それは頼もしいな」
 クスッと笑って恭しく口づけると、彼は私の胸を揉みしだきながら、その唇を首筋にゆっくりと這わせる。
「あっ……」

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