契約婚初夜、冷徹警視正の激愛が溢れて抗えない

「え？　でも、無理だよ。私、柊吾さんと結婚するの」
　あっけらかんとして和也に伝えたら、彼はこれでもかっていうくらい大きく目を見開いて絶句した。
「はあ？」

《土曜日の件、時間は午後三時でどうですか？》
　見合いの三日後の夜、自分の部屋でスマホを見ながらゴロゴロしていたら、柊吾さんから電話がかかってきた。
　三日ぶりに聞く彼の声に胸がきゅんとする。
「大丈夫です。あの……お仕事大変だったら無理しないでくださいね」
　ベッドの上で正座しながら彼にそんな言葉をかけると、優しい声で礼を言われた。
《ありがとう。莉乃も寒いから風邪を引かないように気をつけてくださいね。あと、土曜日の服を選んだので、着てください》
「いえ……そんないいですよ。もったいないです」
　断ろうとする私に、彼が甘い言葉を囁く。
《莉乃が着てくれるならもったいなくないですよ。もう送ったので明日には届くはずです》
「え？　もう？　……忙しいのにごめんなさい」
　お仕事だって大変なのになんだか申し訳ないな。