訪れたのは、ほんの少しの甘い予感
白凪side
お嬢様の部屋の扉をぱたんと閉めた後、俺、 ー白凪騎流ー はずるずるとその場にしゃがみこんだ。
やばい。
思わずお嬢様のことを名前で呼んでしまった。
あの場では、なんでもないように振舞ったけど、大丈夫...だよな?
気づかれてないよな?
名前を呼んでしまった後、お嬢様が
『大丈夫!寝癖くらい自分で直せるよ。』
と言った時、ついにばれて距離を置かれたのかと思った。
でも、お嬢様の表情を見てそれはないってことに気づいた。
嫌がっていると言うよりかは少し照れているような。
まぁ、それが俺の勘違いってこともあるんだけど。