初恋からの卒業
「ねえ。山科くん、帰らなくて良いの? 私と一緒にいても、つまらないだろうし」
「そんなことないよ。白井といると楽しい」
「そうなの?」
「ああ。だって俺、白井のことが好きだから」
「……え?」
私は、空から再び山科くんのほうを見る。
「山科くん。今、なんて?」
予想外の言葉に、目をパチパチとさせてしまう。
「だから、俺は白井のことが好きだ」
「えええ! 嘘でしょ!?」
「白井、うるさい」
「ご、ごめん」
まさか、山科くんに教室で告白されるだなんて思ってもみなくて。つい大きな声を出してしまった。
「つーか、嘘じゃないし。俺はずっと、白井のことが好きだった」
山科くんは、とても真剣な顔つきをしている。