私には無理そうです…。ですがある精霊たちが許してくれません(泣)
❅•❅•❅

あの一件から数日たった今とても"平和"に暮らしている。

…多分。目の前で言い争っている精霊たちは無視しよう!

「無視しないで!」
「無視するな」

「おぉー生きぴったりだね」

今さっき喧嘩みたいなことしてる人には見えない。

「なぁ…」

「えぇ…穂実様」

なんだろう?

「「昔に戻ってます」」

なんで、ハーユまで敬語?

アーレンなら、いやアーレンも結構敬語に似てる言葉使ってるし…。

それより昔に戻ってるって何?

「敬語に似てるってなに?」

「怖いよ」

「俺には穂実の方が…いやなんでもない。それより昔には戻ってきてるが、まだ全部の記憶は思い出していないんだろ?」

「うん…月があいつに殺されたことと昔バァンパイアハンターをしていたという記憶しか」

まだ沢山思い出があったはずなのに。

「で、今日は何で言い争っていたの?」

なんでかが一番重要だよね。

「あぁーそういえばそれが始まりか」

「忘れてたの?あんな言い争いしてたのに?」

「まぁ、それの話はおいとけ」

「じゃぁ何を言い争っていたの?」

「実は、私達」

「うん」

「穂香様の学校に通おうと思ってるんですよ!」

「へぇ〜私の通ってる学校に…」

うん?

私の通ってる"学校"に?

「って、えぇー!精霊って学校に通えるの?」

アーレン達が学校に⁉︎

「ハーユはなんとかなるとして、アーレンは今は封印されて実態のコピーで今ここにいるけど大丈夫なの?」

現にアーレンの体は透けているから大丈夫か心配になる。

「そこら辺は大丈夫よ!」

そんな自信満々に言われても…。

「学校に通うって言うことは、生徒として?それとも、教師として?」

生徒して入っても、教師として入っても人気でそうな二人。

二人はどっちの方で入るんだろう。

「私は生徒としてといったの!なのに」

「俺は教師としてのほうがいい」

うん。それで言い合っていたのか…。

「それって、どっちとも一緒じゃなくても良くない?」

そんなに、言うならお互いのやりたいことやればいいのに…。

「その手があった」
「その手があるわね」

今気づいたの⁈っていうツッコミが声に出そうだった。

「穂香様、私たちは心の声が聞こえているのよ」

「あっ…!そういえば精霊には聞こえてるだったけ」

「と言うことで、私は生徒として入るわ」

「俺は、教師として入る」

よし、解決!

「これからよろしくね?」

「はい!」
「あぁ」

あの揉め事から数日たった。

私はいつも通り遥花のところに向かう。

「おはよう!」

「おはよう。遥花」

今日は、二人が学校に来る日。

「なんか、穂香そわそわしてない?」

転入の事はまだ話されていない。

事前報告?らしい。

「そうかな?」

「うん!なにかあるの?教えて〜」

「まだ、秘密だよ?」

「穂香が秘密って珍しい〜」

遥花に隠し事なんてこれが初めてかも。

「でも、すぐに分かるよ?」

「なんだろう?楽しみ!」

遥花とたくさんおしゃべりをいつも通りして、学校え向かった––––。

「皆さんおはようございます。今日は、転入生と副担任が来ました」

ついに、二人がこの教室に入ってくる。

先生の言葉にみんなもざわめきだした。

「先生!男が女どっちですか?」

これ恒例の話題だよね?

「転入生が女の子で副担任は男性です」

「おぉー」

男子も女子もめちゃくちゃ騒いでる

「もしかして、今さっきの秘密ってこのこと?」

横から遥花が話しかけてきた。

遥花は、結構おっとり系なんだけどこういうときにはとても鋭い。

「うん。正解!知り合いが転校してくるの」

流石に、“契約した関係”で仲がいいんだぁ〜。

何って言ったら質問攻めされるため、知り合いということにしとこう。

「皆さん静かにしてください。では、教室に入ってもらって」

「おぉー!」

「キャー」

「こっち見て!」

ってアイドルか!二人が美形なのは分かるけど、そこまで声出る?

「では、二人に紹介してもらいます!どちらから?」

「私から紹介させていただきます」

最初はアーレンから。

「始めまして百合咲学園から来ました花実杏(はなみあん)と言います。これからよろしくお願いします」

流石アーレン。あの百合咲学園から転校してきたよって言っても本当に思えるくらいの礼儀正しさが見るだけでわかる。

それに、アーレンの体が透けていない。どうなっているのか後で聞こう。

アーレンは大丈夫だったけど、ハーユは大丈夫かな?

「俺は(ゆう)だ。担当は数学だ。よろしく」

一様挨拶は、ちゃんとできている。

というか、名前を決めたの多分アーレンだろうな。ハーユはそういうののセンスがなかったし。

「えーっとこんな感じでクラスに仲間ができます!皆さん仲良くしてくださいね?」

クラスから後で話しに行こう!なんて声が上がった。

「そういえば席を決めてなかった!開いてる席に座ってくれると…」

みんな、自分の隣に座らせたいのかここだよ〜って話しかけてる。

でも、アーレンは全然聞いてないけど。

「あの…」

「はい。杏さんどうしました」

「えっーと穂香のまわりにしてくれると嬉しいのですが」

困った顔して先生に話しかけている。

こんな顔見れば…。

「あの!僕が移動するのでここの席どうぞ!」

すぐに私のもう一つの隣の席が空いた。

「えっ!ありがとうございます」

そう言って笑うもんだから、移動する男の子が顔を赤くしている。

幸せそうだけど、周りから凄い殺気放たれてる。

「穂香!来ました!」

「アー…杏、久しぶり。裕も!」

久しぶりって言っても朝ぶりって感じだけど。

「俺は、ついで扱い?」

なんか、ハーユが拗ねるところなんてとても珍しい!

「なんか失礼なこと言ってる」

おぉー怖い怖い。

「そんなことない…ってここ教室だった」

視線が、痛い絶対似合わないとか言われてる!

「あ!遥花。この人が知り合い!」

「始めまして。穂香の友達の遥花です。"よろしくね"」

「よろしくお願いします」
「よろしく」

アーレンとかに拒否されていないということは、遥花はやっぱり信用できる人なんだな。

「ねぇ…」

「うん」

なんかみんな今さっきよりざわざわしてる?

もしかして。

「私がこの場所に釣り合わないから?」

え?

「とか思ってるんでしょ」

「なんで分かったの?」

「なんで分かったのか?そんなことすぐ分かるに決まってるよ、だって私達は親友なんだから!」

「遥花!」

こんなに優しい遥花と親友だなんて…。

そういえば昔もこういうことあった気がする…。

『花〜どうしたの?』

『なにか、嫌な予感がしてくる』

そう、とってもとっても嫌な予感…。

『そんなの、私と花が打ち倒せばいいじゃない?』

月…。

『そんな簡単に、言われてたまるか!』

え?

『でしょ?あーやっぱり!花は分かりやすいからな~』

妾はあまり表情とか出さないほうだと思ったのだが…。

『もう少し気を引き締めたほうがいいか?』

表情に出やすいと不利になることが多い。

『いや、それ以上やるとみんな怖がるから!』

そうか?なんでわかったんだ?

『なんで分かったのってそれは私が貴方の親友だからだよ!』

『妾も…妾も、月と親友になれて嬉しい…』

普段あまり感謝とか伝えてないせいか、余計恥ずかしい。

『花と、本当に親友になれて良かった…』

『急にどうしたんじゃ?なにか変だぞ?』

『うん…なんでもないよ––––でね』

え?

『最後なんて言ったのだ?』

『なんでもないよ!早くヴァンパイアを救いに行くぞ〜』

『月は、まだヴァンパイアは優しい心があると思ってるのか?』

『うん!だってヴァンパイアだって生きてるんだから』

月は、そう言っているけどヴァンパイアは、心が優しいやつなんていない…。

吸血鬼が自分の欲だけのために動く邪悪ないきもの…ヴァンパイアになったのだ。

『そんなこと言って裏切られても知らんぞ?』

『その時は、花が助けにきてよ!』

『はいはい。できたらな』

『えぇ〜!絶対に助けに来てよ!約束だから!』

「あぁ約束だ」

その後、月はこの世界の住人ではなくなった。

花を助けることはできなかった。

月は私のこと恨んでるのだろうか。

「穂香?どうしたの?」

「なんでもないよ?」

月は戻ってこないけど、今の私の親友…遥花は今生きている。

「そう?とりあえず、早く準備したほうがいいよ?」

え?

「あ!ほんとだ」

昔のこと思い出している間に結構時間経ってた。

その後、授業の内容が頭に入ってこなかった…。

「ねぇ、穂香今日変だよ?」

今は、授業が終わって帰る時間。

「そうかな~」

前世のことをいって、あんまり心配させたくないし…何より私が言いたくない。

「そういえば、アー…んたちは?」

「もう!杏ちゃんと裕先生は学校の案内を受けているじゃん!」

そういえばアーレン達は呼び出しされてたな…。

「もしかして、あの転入生たちのことで悩んでる?」

「まぁ〜それもあるかな。ほらあの人達って美形だから」

私がすごく浮いちゃう。

「あぁ〜アイドルかってくらいイケメン&美女だたったよね」

「うん」

「拝めるだけでも、いいよね。それになんかあの二人知っている気がするんだよね」

「アイドルに似てたの?」

「多分違うんだけど、何か見たことがあるような?いやでも、アイドルに似てる人がいたかも?」

「ふふっなんで疑問系?」

遥花が疑問形で話したりするなんて…。

記憶力が凄い良くて覚えていないことなんてないってくらいの遥花が。

「穂実私だって人間なんだよ?」

「分かってるって」

ほんと遥花は面白いな。

「それより最近やばい奴らがいるっていうの知ってる?」

やばい奴らってやばい奴らなんて沢山いるよね…。

「そんな話知らないよ?聞いたことすらないし」

「えぇ!最近有名だよ?花は知らないか…血が欲しい」

「遥花?急にどうしたの?」

「だから今さっき私が言ったセリフを言う人が沢山出てきたんだって」

「へぇ〜血が欲しいなんてまるで、まるでヴァンパイア…」

みたいなんてのんきに声に出したけど。

「ヴァンパイアがどうしたの?」

「いや何でもないよ」

もしかしてヴァンパイアの生き残りは少なくなっていなかった?

審達だけじゃなかった…生き残っているヴァンパイアは妾が知らないだけでまだ沢山いたんだ…。

それに前世の私…花の存在も知っていることは昔からいた奴ら?

かなりの強敵になるな…。

今目の前にいる遥花。

今度こそ大切な親友を失うなんて思いはしたくない。だから、何があっても親友を守る。いや守り切らなければいけない!

そう私はかたく決意した。
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