私には無理そうです…。ですがある精霊たちが許してくれません(泣)

一筋縄では見つからない？仲間探し

「今日は仲間を探しに行きましょう！」

今日は学校もない休日。

「仲間を探しに？」

仲間なんてそんなに簡単に見つかるのかな？

「いえ、そう簡単に見つかるわけではないの」

なら、どうして急に言い出したのか…。

「アーレンのことだから、術を使えとか言うのだろう？」

「そうです」

「術ってどういうの？」

「術とは、まぁ今で言う魔法だな。その言葉を言うだけで使える。だが、莫大の生命力とマナを受け持つ器を持っていないと発動できない術もある」

「穂実様が使っていた羽遊も、術者の生命力とマナたくさん使っているから禁止されているけど、月と花は関係なかったからばんばん使っていて吃驚したわ」

そんなに大事だったんだ！生命力…そしてマナは本当に大切なんだ。

「そういえば詠唱とかしなくていいの？」

アニメとかでは、

"体に満ちる魔力よ！我が身を守る保護となれ"

とか言っているよね?

「多分マナのことかしら?」

「マナって自然にある魔力みたいなものだよね？」

「あぁそうだ。マナは自然にあるため使うには呪文が必要だ。だか、術は人間達の想像、思考が具現化したようなものなため、必要なのはイメージとそれを言葉にこめること。だから比較的には術の方が使われていた」

「へぇ～色々あるんだね。」

「色々あるんだねじゃないのよ！術は全部で10万以上はあるのよ？」

「10万!?私には無理そうなんだけど」

「直感でいい。浮かんできたものを言うか考えるかでいい。羽遊を使ったときもふっと浮かんできただろう？」

確かに羽遊を使った時、何故か急に頭に思い浮かんできた。

あれ…？私の記憶があっているのか不安だけど、確か羽遊は風の力を借りるから、マナが必要で呪文を言わないと使えないとかじゃなかったけ？

「本当は羽遊も呪文が必要なところだったんだけど、前世のあなたがそれを必要としないで使ったせいで呪文の必要性が少なくなったのよ。元々マナは使えると強いけど、呪文が長くてその間にやられてしまうとかよくあったことだったしね。そのせいでマナを使うという文化は弱くなっていき、術の編み出しに力に入れるようになった…。まぁ時代が大きく変わったわね」

「前世の私すごいね…」

「えぇ、あの時の花様ときたら…。楽だからというのを理由にし文明を大きく変えてしまったのよ！すごいといえば確かにすごいわ！でも、あまりにも目を話すとまた何か文明を大きく変えるものを作るから制御するのがとっても大変だったわ」

「あぁ。あの騒動を抑えるためだけに、俺たちはどれだけ苦労したことか」

なんか、申し訳ない気持ちに襲われる…！

「その、迷惑をかけてごめんなさい」

「謝罪は私たちのような精霊が全員集まってからでお願いするわね」

「ぜひそうさせていただきます…」

「で、本題なんだが術の発動する単語は正直なんでもいいんだ。それっぽいことをいえば使える。ほとんど人が想像した術は作られているからな。でも、イメージと莫大な生命力が必要になる術もある」

イメージ力が必要っていうことは…。

「アニオタの私ならすぐに使いこなせる!」

「じゃぁ早速術を使って行きましょうか」

「えぇーっとアーレンやハーユと同じ気配を探せばいいんだよね？」

「そうよ」

アニメとかだと探知魔法といったところだから、発動させる言葉は探知ってところかな…。

「よし！探知」

いない…いない…………。

「気配を探ることに集中してみて」

気配を探る……。

どこにいるの…アーレンたちと同じような気配を持つ精霊。

「っ！いた!ちょうど海の近くにいる」

やっと見つけることができた。

「海の近く…ってことは自然を愛する精霊とかかしら？」

「そこまで思い出せても、誰だかは思い出せないな」

「やっぱり、記憶を戻すには本人に会わないといけないよね」

「えぇでもあんまり期待しないほうがいいわ」

「どうして？」

「自然系の精霊は気まぐれなの。突然どこかに行ってしまうだけではなくて、例え兄弟だろうが家族だろうが、つまらないと感じた瞬間にどこかに消えてしまうの。同じ気配のものを置いてね。家族の精霊ですら見破ることができない時もあるのよ」

「じゃぁ私が今感じた気配も、実際は精霊本人ではなく身代わりみたいなものかもしれないってこと？」

「まぁそうだな」

「えぇ……なんか精霊って自由すぎて目が離せないね」

「それをあなただけには言われたくないわ」

「俺もそう思う」

「私、そんなに自由に行動なんてしてなかったよ！それにアーレンもハーユも実は記憶がないだけで結構自由に遊んでだかもよ？」

「……さぁ！早くその場所に行きましょう！」

「あぁ、早く向かわないとどこかに行ってしまうかもしれない！」

なんかはぐらかしてきているけどしょうがない、か。

「わかった。じゃぁその場所まで向かうね。転移！」

「それは…！」

あたり一面が光で覆われる。

「うぅ、眩しい！」

やっと光が収まったと思い目を開けると、そこにはとても綺麗な海があった。

「わぁー綺麗！」

「…」
「…」

「二人とも無言でどうしたの？」

「どうしたもこうしたもじゃないわ！あにおた？で術が使いこなせたとしても、いきなり難しいのを使わないで⁈」

「転移そんなにダメだった？」

「ダメに決まってるわ！」

「そんなに…」

「アーレンの言う通り、ダメに決まっているだろ！本当に…。それより、体調は大丈夫か⁉︎」

「ん？全然大丈夫だよ！」

「あんなに莫大な生命を使ったのに？嘘ではないの？」

「うん。全然嘘じゃないよ！」

「それならばいいのだけど」

「それより、あっちの方に精霊がいる気がする」

「気がするでいいのか？」

むっ。

「私の勘を舐めてもらっては困るわ！」

「えーっと、あのうずくまっている子が私たちと同じ精霊かしら？」

「多分そう。話しかけに行ってくる」

とりあえず話しかけてみないと！

「うぅ…ヒック…」

…小学生くらいの見た目の女の子。

「こんにちは。あなたはなんで泣いているの？」

「お姉…ちゃん…は誰なの？」

「私は夢崎穂実だよ。あなたのお名前は？」

「私は、スーラなの」

「スーラちゃん！いい名前だね！それで、スーラちゃんは精霊？」

スーラちゃんの動きが止まる。やばい、直球すぎたかも。

「なんでそれをお姉ちゃんが知ってるの？もしかして、私を捕まえようとしてるの？」

「違うよ！私はそんなことしないよ！私はただ仲間を探していて」

「仲間？」

「そう。記憶が奪われてしまって…」

「記憶が…？私と同じなの。でも人間。…まさか、お姉ちゃんは！」

「えぇ…このお方こそ！」
「あの偉大なる世界への貢献者」
「そして私たちの主の花様の生まれ変わりなのよ！」

すごい息ぴったりで私のことを紹介している。少し、いやかなり恥ずかしい…。

でも、スーラちゃんはそんなことよりも…。

「本当に？花様なの？それにアーレンもハーユもいる…の。嘘じゃないの？本物なの？」

「えぇ…そんな嘘つくはずないわスーラちゃん。私は、前世花でヴァンパイアを」

「…！花様！！」

「わぁっ！急に抱きついてどうしたの？」

「寂しかったの。ずっとひとりぼっちはいやだったの！」

「そっか…、今までよく耐えたね」

頭を撫でてあげると、とても嬉しそうな顔をしてくれた。

「やっぱり、直接会うと記憶が少しだけ戻ってくるな」

「え？私、やっぱ戻らないんだよね」

「もしかしたら…」

「どうしたのアーレン？」

「穂実様と私達にかけられたものは、似てるようで似てないものなのではないのかしら」

「それって、私の前世の記憶を全部思い出すことごできないと言うこと？」

「それは、違うわ。穂実様はきっと時間が経てば思い出してくるものだとおもうの。ある時を引き金にして」

「そうなんだ…。じゃぁ早く記憶を私たちから奪い去った精霊を探さないとだね」

「えぇ…」

「花様、花様！」

「ん？どうしたの？」

「あのね、探すのだったら私のお兄ちゃんもさがしてほしいの！」

「お兄ちゃん？」

「うん！お兄ちゃんと私は一緒にいたの。でも、急にお兄ちゃん消えちゃった…そこから私ひとりぼっちになっちゃったの…」

「スーラちゃんお兄ちゃんいたの？」

「うん！いつも一緒にいたの。生まれた時から一緒にいたから離れることなんてなかったのに…。急にお兄ちゃんいなくなちゃって探しても、私だけじゃ見つからなかったの…」

「お兄ちゃんの特徴とかある？」

「」