だから聖女はいなくなった
2.
あれを知ってからというもの、ミレイナは落ち着かなかった。誰かに聞いてもらいたいが、誰に言ってもいけないような気がしていた。
もちろん神殿の者には言えない。神官にも巫女にも言ってはならない。
だが、ミレイナには家族はいない。そして友達も言えない。
そんな彼女の様子に気づいたのはユリウスである。彼女の些細な変化に気がついたようだ。少しだけ、表情が曇っていたのかもしれない。
ほんのわずかな時間であるのに、彼は少しずつミレイナから話を聞き出した。
ユリウスは、誰にも伝えたくない話は紙に書いてはいけないと言った。だから、手紙ではなく彼に直接伝えた。
聖女のこと。
神殿のこと。
そして、竜のこと。
二人だけで過ごせるときに、少しずつ。誰にも知られないようにと、ひっそりと。
時間はかかったが、ユリウスはミレイナの置かれている立場を理解してくれた。
だから彼は、口にする。
『俺と、逃げよう』
もちろん神殿の者には言えない。神官にも巫女にも言ってはならない。
だが、ミレイナには家族はいない。そして友達も言えない。
そんな彼女の様子に気づいたのはユリウスである。彼女の些細な変化に気がついたようだ。少しだけ、表情が曇っていたのかもしれない。
ほんのわずかな時間であるのに、彼は少しずつミレイナから話を聞き出した。
ユリウスは、誰にも伝えたくない話は紙に書いてはいけないと言った。だから、手紙ではなく彼に直接伝えた。
聖女のこと。
神殿のこと。
そして、竜のこと。
二人だけで過ごせるときに、少しずつ。誰にも知られないようにと、ひっそりと。
時間はかかったが、ユリウスはミレイナの置かれている立場を理解してくれた。
だから彼は、口にする。
『俺と、逃げよう』