だから聖女はいなくなった
「では、ここでさらに宣言させてもらおう。私、キンバリー・レオンクルは、ウィンガ侯爵家のアイニスと婚約をする」
だから先ほどから、キンバリーの隣でアイニスが寄り添っているのだ。
身体の線を強調するような、艶めかしい藍色のドレス。赤い髪も背中で波打ち、シャンデリアの光を不規則に反射させている。色っぽい紺色の目を細くして、ねっとりとした視線でキンバリーを見上げている。
アイニスだって侯爵家の令嬢であるから、身分的にはつり合いは取れているだろう。だから、問題はないはずだ。
「さようですか。では、こちらもアイニス様に差し上げます」
ラティアーナは首から下げていた聖女の証である月白の首飾りを自らはずし、アイニスへと手渡した。
アイニスはそれをひったくるかのようにして受け取ると、キンバリーへと手渡す。彼は穏やかな笑みを浮かべてそれを手にし、アイニスの首にかける。
その一連の流れを、ラティアーナはしっかりと見つめていた。
アイニスの首には、しっかりと月白の首飾りが納まっている。
だから先ほどから、キンバリーの隣でアイニスが寄り添っているのだ。
身体の線を強調するような、艶めかしい藍色のドレス。赤い髪も背中で波打ち、シャンデリアの光を不規則に反射させている。色っぽい紺色の目を細くして、ねっとりとした視線でキンバリーを見上げている。
アイニスだって侯爵家の令嬢であるから、身分的にはつり合いは取れているだろう。だから、問題はないはずだ。
「さようですか。では、こちらもアイニス様に差し上げます」
ラティアーナは首から下げていた聖女の証である月白の首飾りを自らはずし、アイニスへと手渡した。
アイニスはそれをひったくるかのようにして受け取ると、キンバリーへと手渡す。彼は穏やかな笑みを浮かべてそれを手にし、アイニスの首にかける。
その一連の流れを、ラティアーナはしっかりと見つめていた。
アイニスの首には、しっかりと月白の首飾りが納まっている。