だから聖女はいなくなった
(……?!)
どこからともなく聞こえてくる旋律が気になった。気になったら確かめたい。好奇心の塊のようなサディアスは、歌声の主を探して庭園を歩き始める。
(こっちか?)
風が吹くたびに声の聞こえる方向が変わってくる。それでもサディアスの探求心が勝った。
あきらめずに声を追う。
『ラティアーナ様?』
歌声の主は、庭園の外れにある花畑に座り込んで、花冠を作っているところだった。ちょうど木が影を作っている場所でもある。
サディアスの声に反応して顔をあげた彼女は驚いた様子であったが、その顔に満面の笑みをすぐに浮かべた。
『サディアス様、どうかされましたか?』
小鳥がさえずるような声で名を呼ばれると、顔に熱が溜まるような気がした。それに彼女に名前を呼んでもらえたことが、嬉しい。
どこからともなく聞こえてくる旋律が気になった。気になったら確かめたい。好奇心の塊のようなサディアスは、歌声の主を探して庭園を歩き始める。
(こっちか?)
風が吹くたびに声の聞こえる方向が変わってくる。それでもサディアスの探求心が勝った。
あきらめずに声を追う。
『ラティアーナ様?』
歌声の主は、庭園の外れにある花畑に座り込んで、花冠を作っているところだった。ちょうど木が影を作っている場所でもある。
サディアスの声に反応して顔をあげた彼女は驚いた様子であったが、その顔に満面の笑みをすぐに浮かべた。
『サディアス様、どうかされましたか?』
小鳥がさえずるような声で名を呼ばれると、顔に熱が溜まるような気がした。それに彼女に名前を呼んでもらえたことが、嬉しい。