ごじうおん
機転を利かせ、彼女の手を取る。

そのまま手の甲に、わずかながら唇を触れさせる。


吃驚した後に頭に疑問符を浮かべる彼女に、極力優しい声色でこう言った。

「少し種類は違うけど…大切な人にするキスだよ。」

「くちびるじゃなくても、キスなの?」

「そうだよ。唇は…もっともっと大切になったときに、ね。」
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