秘密の彼氏は、私にだけ甘すぎる


……え?


私は、持っていたスマホをうっかり机の上に落としてしまう。


「えーっ」

「うそーっ!?」


それと同時に、教室中に女子の悲鳴が響き渡る。


「やだ。長嶺くんに彼女がいたなんて」

「そんなの信じられない〜!」


木村さんたちだけでなく、他のクラスメイト全員が翔也のことを見ている。


ま、まさか。交際を皆に隠したがっていたはずの翔也が、彼女の存在を明かすなんて。


「ねぇ、誰なの?! 長嶺くんの彼女っていうのは……!」


物凄い剣幕で、翔也に詰め寄る木村さん。


「あー、ごめん。それは、答えられないんだ。だって俺の彼女、すっごく可愛くてシャイだから」


さっきまでの冷たい表情とは打って変わって、にっこり笑顔の翔也。


み、皆の前でそんなふうに言われたら、照れるんですが……!


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