秘密の彼氏は、私にだけ甘すぎる
それから数日後、金曜日の夜。
私は家の自室で、翔也にメッセージを打っていた。
【明日って空いてる?
良かったら、一緒に家で勉強しない?】
2学期の中間テスト前の週末。
成績が学年で常にトップ3に入る翔也に、勉強を教えてもらいたいと思った私は、翔也にメッセージでそのことを伝えた。
私が送信してすぐ、翔也から返事が届く。
【ごめん! 明日は朝から外せない用事があって、無理なんだ。】
そのメッセージとともに、しょんぼりしている白いクマのキャラクターのスタンプが送られてくる。
翔也、このクマのスタンプ使ってくれてるんだな。
ふふ。男の子の翔也がこういうスタンプを使ってるって思うと、なんか可愛い。
以前私がこの白クマのキャラクターが好きだと伝えたら、それから翔也もそのキャラクターのスタンプを時々使ってくれるようになった。
自分の好きなものを同じように好きになってもらえたみたいに思えて、嬉しいな。
【そっか。用事があるなら、仕方ないよね。
私のほうこそ、急に言っちゃってごめんね】
【ほんとにごめん。
俺も、理帆と一緒に勉強したかったー!】