秘密の彼氏は、私にだけ甘すぎる
翌日の昼。私は、果耶と一緒に街を歩いていた。
朝から家で一人で黙々とテスト勉強をしていたんだけど、行き詰まってしまった私は果耶にその旨のメッセージを送った。
そしたら果耶が、気分転換にクレープを食べに行こうって誘ってくれたんだ。
「ごめんね、果耶。テスト前なのに」
「いいよ。あたしもちょうど、勉強に行き詰まってたとこだから。甘い物食べて、リフレッシュしないとね」
「うん!」
しばらく果耶と話しながら歩いていると。
「ん? あれってもしかして……」
果耶が、突然立ち止まった。
「何? どうしたの、果耶」
「いや。あそこ歩いてるのって、長嶺くんじゃない?」
「え?」
果耶が指さす方向へ私が目をやると。