秘密の彼氏は、私にだけ甘すぎる
え?
道路を挟んで向こう側の通りに、ピアスをジャラジャラつけた赤髪と金髪の男二人と一緒に歩いている翔也の姿があった。
学校にいるときとは違って黒縁メガネをかけているけれど、あれは間違いなく翔也だ。
だけど、服装も派手で明らかに不良だと見てとれる二人とどうして翔也が一緒にいるのだろう。
翔也はサッカー部のエースで、常に成績も優秀で。先生たちからも気に入られているような優等生だ。
そんな彼があんな見るからに不良の人たちと一緒にいるなんて。まさか……カツアゲでもされそうになってる!?
「たっ、大変!」
私は翔也が気になるあまり、隣に果耶がいることも忘れて翔也に電話をかける。
『……はい?』
「もっ、もしもし。翔也!?」
私が電話をかけると、すぐに出てくれた翔也。
向こうの通りにいるメガネの男の子のほうを見ると、彼も今電話してるみたいだから。
やはり、あの男の子は翔也で合っていた。
『どうしたの、理帆』
「しょ、翔也、今どこ!?」
『どこって、外にいるけど?』
「大丈夫!? 今、街で赤い髪の人たちと一緒に歩いてる翔也を見かけたんだけど……」