秘密の彼氏は、私にだけ甘すぎる


『あー……。歩いてたらなんか男たちに道を聞かれて、案内してあげてたんだよ』

「そうなの? なんだ。私てっきり、翔也がカツアゲでもされそうになってるのかと……」


『カツアゲって。もしかして俺のこと心配して、わざわざ電話してくれたの?』

「うん。もし翔也に何かあったら、私が助けに行かなきゃと思って……はぁ、良かった」


『ありがとう。俺は全然大丈夫だから。理帆は本当に優しいね。なんか理帆の声聞いてたら、会いたくなってきちゃったな』

「わっ、私も……」


自分の隣に果耶がいることを思い出した私は、ニヤけてしまいそうになるのを必死に堪える。


『それじゃあ、俺ちょっと急いでるから。また電話するね』

「うん。またね」


翔也が無事だと分かり、安堵する私。


「ちょっと、理帆!」


翔也と電話を終えた途端、私は果耶にガシッと両肩を掴まれる。


「ねぇ。今の電話の相手の翔也って、長嶺くんのことだよね? 一体どういうこと!?」


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