秘密の彼氏は、私にだけ甘すぎる
「……?」
私へと差し出された翔也の手のひらには、白い紙で包まれた物がのっている。
「頑張る理帆も好きだけど、無理は禁物だよ。たまには休憩しないと」
翔也からもらった包みを開けると、艶のある白い飴が出てきた。
それを口の中に放り込むと、途端にふわりとミルクの優しい甘さが広がる。
「美味しい」
「理帆、もう少しで頭がパンク寸前だっただろ?」
「すごい。翔也、よく分かったね」
実はさっきからずっと頭を使い続けていたから、そろそろやばかったんだよね。
「まあ、これでも俺は理帆の彼氏ですから。たまに休みつつ、俺と一緒に頑張ろうな」
翔也が笑顔で、私の頭をポンポンと優しく撫でてくれる。
「ありがとう。あのね、翔也。さっきから分からない問題があるんだけど。解き方教えてくれる?」
「いいよ。どれ?」
翔也が横から、数学の問題集を覗きこんでくる。