秘密の彼氏は、私にだけ甘すぎる


──バッ!


木村さんが声をあげるのと同時に、翔也が私と繋いでいた手を勢いよく離した。


あ……。


「ねぇ。なんで白井さんが、長嶺くんと一緒にいるの?」

「そうよ。ていうか二人とも今、手繋いでなかった?!」


木村さんたちが、私を睨みつけてくる。


「えっと……」


どうしよう。否定しないといけないのに。


今、翔也に思いきり手を振りほどかれたことが思いのほかショックで。


すぐに言葉が出てこない。


「まさか、長嶺くんと白井さんって付き合ってるの?」

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