秘密の彼氏は、私にだけ甘すぎる


「……な、何ですか?」


思わず後ずさる私。


目の前の男たちは、ピアスを耳や顎に沢山つけていて。髪や服装も派手だし。

私と同じ年頃だろうけど、彼らは見るからに不良で。

背も私よりうんと高く、威圧感があってなんだか怖い。


「ねぇ、君一人? 可愛いね」

「良かったら、俺たちと一緒に遊ばない?」

「えっと……」


私は恐怖から、足が竦んでしまう。


そういえば、この辺りは週末になるとよく不良がうろついていると、昔聞いたことがあった。


こういうときは相手にせず、さっさと逃げたほうが身のためだ。


「わ、私、急いでるので……」


そう言い、その場から離れようとしたが。


「痛……っ」


銀髪の男に、腕を強く掴まれてしまった。


「えー、いいじゃん。ちょっとだけ」

「はっ、離してくださ……」


ニヤニヤする銀髪男の腕を懸命に振りほどこうとするも、ビクともしない。


「うーん。この女、俺どっかで見たことある気がすんだけど……どこだっけな」


すると、そばで私をじっと見ていたオレンジ頭の男が口を開く。


「あっ、そうだ。思い出した! こいつ、ミネの女だよ」

「なに!?」


オレンジ頭の男がそう言った途端、私の腕を掴む銀髪男の顔から笑みが消える。

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