秘密の彼氏は、私にだけ甘すぎる
私が、男たちに強引に連れて行かれそうになったそのとき──。
ドカッ!と音がするのと同時に両腕の圧迫感が消え、男から私の身体が離れた。
……え?
顔を上げた先には、物凄い剣幕の翔也が立っていた。
「翔也……!」
「俺の大事な女に、触んじゃねぇ」
「痛てててっ」
彼が、男たちの腕を捻り上げていた。
そして翔也は、無言で男二人を同時に地面へと投げ飛ばす。
「長嶺、このヤロー!」
もう一人の坊主頭の男が、翔也へと殴りかかる。
「翔也、危ない!」
私は怖くて、思わず目を閉じてしまいそうになる。
「大丈夫だよ、理帆。俺に任せといて」
そんな私に翔也はニコッと微笑み、男の攻撃をサラリとかわす。
ドカッ! バキッ!
そして翔也は、相手の急所にパンチと蹴りを入れた。
「痛ってぇぇ」
地面にドサッと倒れる男。
「おい、ミネ……! おまっ、ふざけんなよ」
「うおおぉ」
倒れていた銀髪とオレンジ頭の男二人が起き上がり、翔也へと向かって走っていく。