秘密の彼氏は、私にだけ甘すぎる
「ふざけんなって、どの口が言ってんだ。それはこっちのセリフだ、堀川ぁ!」
堀川と呼ばれた銀髪男の拳が、翔也の手のひらにぶつかる。
「理帆をこんな目に遭わせやがって。絶対に許さねぇ」
ドカッ、ボコッ!
鈍い音が辺りに響き、あっという間に男が二人とも倒れる。
す、凄い。一体、何がどうなってるの?
翔也はたった一人で、不良三人を倒してしまったのだ。
信じられない。あの翔也が、まさかこんなにも強いなんて。もしかして、これは夢!?
私がひとり、戸惑っていると。
「理帆」と名前を呼ばれ、私は翔也に片腕で抱き寄せられた。
「いいか? お前ら。今後、もう二度と理帆に手ぇ出すんじゃねぇぞ。分かったな?」
「くそっ! ミネ、覚えてろよ」
不良たちはよろめきながら立ち上がり、走って逃げていく。
「ったく。あいつら、俺の弱みにつけこもうとしやがって……」
「しょっ、翔也……」
「り、理帆!?」
男たちが去っていき、一気に緊張が解けたからだろうか。
私はその場にヘナヘナと膝から崩れ落ちてしまう。