秘密の彼氏は、私にだけ甘すぎる
そんな家庭環境だからか勉強にもなかなか身が入らず、俺の成績は落ちる一方で。
「翔也。何だ、この成績は!」
長嶺さんは、俺のことなんか普段は見向きもしないくせに。俺の成績が悪いとすぐに怒鳴る。
「こんな点数取るなんて、毎日サッカーばかりしてるからじゃないのか!? そんなものは今すぐやめなさい!」
「ごめんなさい。これからはもっと勉強頑張るから。サッカーだけは続けさせて……」
「ダメだ。翔也、君はいつも優秀でないといけないんだ。サッカーなんて勉強の邪魔でしかない」
「ああっ!」
俺の言うことなんて無視し、長嶺さんは俺のサッカーボールもスパイクも勝手に捨ててしまった。
地元のサッカークラブも辞めさせられ、俺はついに大好きなサッカーまで奪われてしまった。