出戻り令嬢は、初恋執事に愛されたい。
「……後悔しても知りませんよ」
「私に、後悔なんて言葉ありえないの知ってるくせに。あなたこそ、後悔しても知らないわ」
私が挑発的なことを言えば「ははっ」と声を出して笑った。千隼は私にキスを落とす。
「大丈夫。責任は取ってもらいますから」
「……っ……」
「かしこまりました、結琉様。仰せのままに」
千隼は唇を重ねると、想像より遥か上の激しいキスが降ってきた。まるで獣のようにやっと見つけた餌を喰らいつくように唇を求め重ねる。こんなキス初めてで、怖くなりながらも受け入れた。
「んんっ……ち、はやっ苦し……っ」
「結琉さま」
「千隼っ……ん」
部屋には私の乱れた呼吸と吐息が響いているのに、彼は息すら上がっていない。なのに、私は立っているのも大変なくらいだ。キスだけでこんなに気持ちよくなるなんて思わなくてムッとしていると、彼は唇を離した。
「結琉さま、可愛い」
「そういうこと……言わないで」
「本当のことですから」
千隼に腰を支えられて私はなんとか立っていられたが、耳や首筋を撫でられて力が抜けそうになる。すると、抱き止められてベッドに連れて行かれた。